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CVR(コンバージョン率)

CVR(コンバージョン率)とは、ユーザーがどのくらいの割合で期待される行動を取ったかを示すマーケティング指標です。

コンバージョン率

CVR(コンバージョン率)

CVR(コンバージョン率)は、キャンペーンやコンテンツの効果を計測するために使用されます。具体的には、リンクをクリックする、イベントに登録する、製品やサービスを購入するなど、閲覧者が期待されるアクションを実行した頻度を示します。

CVRは常にパーセンテージの形式で表され、高いほどキャンペーンが成功していることを意味します。CVRの平均値は業界によって異なりますが、通常は1桁台前半です。たとえば、アプリのダウンロードのうち、購入につながるのは通常たった2%です。つまり、CVRがわずかに変化しただけでも、その影響は大きなものになる可能性があるということです。

CVRが重要である理由 

CVRは、当該のページやコンテンツがどれだけ効果的かを示すため、有益な指標です。

結局のところ、コンテンツ制作は趣味や自己表現ではありません。すべてのコンテンツには、ユーザーに購入してもらう、登録してもらう、またはその他のアクションを実行してもらうなど、マーケティング計画の一環としての目的があるのです。ページビューやインプレッションのような指標は有益ですが、コンテンツがユーザーの行動を促す役割を果たしているかどうかを示してはくれません。 

例として、アプリのダウンロード数を増やすというコンバージョン目標を策定してデジタル広告キャンペーンを実施する場合を考えてみましょう。アプリがリスト掲載されたページにおける当該アプリのクリックスルー率(CTR)が高くても、実際にそのアプリをダウンロードする人が少なければ、キャンペーンが想定どおりに成功しているとは言えません。 

CVRは、マーケターが自らのマーケティングファネルの弱点を把握するうえで役立ちます。上記の例では、広告自体はうまく機能している(明らかにユーザーの興味を引いている)のですが、ランディングページやプロモーションオファーには対処すべき問題があるかもしれません。 

CVRの計算方法

Google AnalyticsやAppsFlyerなどの分析プラットフォームの多くでは、目標を設定しておけばCVRは自動計算されますが、簡単な計算式を使って自分で計算することもできます。 

まず、コンバージョン数(期待されるアクションを実行したユーザー数)を、コンテンツにおけるインタラクション(閲覧する、開く、クリックするなど)の回数で割ります。次に、この端数に100をかけてパーセンテージを求めます。 

CVRの計算方法

たとえば、ランディングページの閲覧数が1,000で、そのうち25セッションが購入に至った場合、CVRは2.5%(25÷1,000=0.025、つまり2.5%)となります。 

CVRに影響を与える要因

オンラインでの購入決定が、一般的にどのくらい複雑かを考えてみましょう。ユーザーはその製品を気に入っているでしょうか?その製品は、ユーザーが想定している場所やデバイスでちゃんと機能するでしょうか?レビューでの評判はどうでしょうか?価格に見合う価値があるでしょうか?他のサイトでもっと安く買えないでしょうか?この企業は信用できるでしょうか?販売する側は、非常に短時間のうちにユーザーの関心を捉え、購入を妨げる論拠に対処する必要があります。

もちろん、説得力のあるメッセージと画像で製品やサービスの価値を示すことも重要です。しかし、それだけでは十分ではありません。明確な行動喚起(CTA)と、シームレスなユーザー体験の提供も必要です。CVRに影響を与える主な要因は、以下のようなものです。 

  1. ページのロード時間 ユーザーは、サイトの読み込みが数秒で完了しない場合、興味を失ったり、信用できないと判断したりして、サイトを離れる傾向があります。Portentの調査によると、1秒で読み込まれるサイトは、読み込みに5秒かかるサイトよりも2.5倍多く顧客のコンバージョンを獲得しています。  
  1. ページのデザイン ウェブサイトとページのデザインは、ユーザー体験の面と、サイトおよびページの最適化の面で非常に重要です。ウェブサイトをモバイルでの閲覧のために最適化し、ウェブデザインのベストプラクティスに準拠させるべきであることは言うまでもありません。画像、図表、動画、小見出しなどを使って、文章が長過ぎるかたまりにならないよう分割する必要があります。コンテンツは要点を絞った簡潔なものにして、行動喚起(CTA)を目立たせることも重要です。  
  1. 差別化 自社のページがAmazonやAppleまたはAndroidのアプリストアのようなサードパーティのマーケットプレイスでホストされている場合、ページのデザインを自由に設定することはできません。また、自社コンテンツはおそらく、ほぼ同じ製品を販売している競合他社のコンテンツと並べて表示されます。マーケットプレイスのコンバージョンを最適化するには、各マーケットプレイスサイトに固有のベストプラクティスに従い、ソーシャルプルーフや人目を引く画像を使用して、自社コンテンツを際立たせましょう。
  1. 価格とオファー 製品やサービスに興味があるユーザーであっても、価格を見て購入を思いとどまってしまうかもしれません。競合他社とのベンチマークを実施して、自社の料金や価格体系が同等の製品やサービスの平均的な価格帯から外れないようにします。プロモーションオファーを活用すれば、ユーザーのコンバージョンを促す雰囲気や焦燥感を生み出すことができます。 
  1. CTAメッセージ CVRに影響を与えるもっとも重要な要素は、行動喚起(CTA)です。効果的なコンテンツでは、ユーザーの動きの流れを止めないようにプロンプトを活用しています。ユーザーが次に取るべきステップを明確に示し、期待される結果に到達させるために適切な文言を選びましょう。「登録する」や「さらに詳しく」といった普通のCTAメッセージだけでよしとせず、行動を起こすことで得られる価値を強調するために、枠に捉われない発想を。たとえば、単に「登録する」とするのではなく「お得なプランで今すぐ登録」、または「さらに詳しく」の代わりに「次の旅先の候補はこちら」、などです。サードパーティのサイトなどからCTAのアイデアを見つけ、どのようなものが効果的かテストするのがおすすめです。 
コンバージョン率、CTA

6.CTAの形式と配置 もっとも一般的なCTAはボタンですが、CTAの形式はそれだけではありません。バナー、ポップアップ、スライドイン、フォーム、インラインリンクはすべて、ユーザーに行動を促すためのオプションとして利用できます。実績のあるボタン形式にこだわるなら、デザイン(色のコントラストや文字のスペース)と、ページ内での配置に注意することが必要です。たとえば、コンテンツの内容が長い場合、文章の区切りにCTAを1つ、さらに文末にももう1つCTAを入れるとよいでしょう。

CVRアップに欠かせない定石のヒント

漏れのあるマーケティングファネルなんて、何の役にも立ちません。こちらでご紹介する、CVRを最適化するためのヒントを活用して、収益アップとマーケティング費に対する投資収益率(ROI)の向上を促進しましょう。 

CVRに関する、避けるべき3つの間違い

あなたの会社は、CVRで同業他社に遅れをとっているとします。さて、ではどうすれば良いでしょうか?以下に挙げるような、CVR担当の新参者にありがちなミスに注意してください。 

1.計測する行動が間違っている

堅実なコンテンツ戦略を策定しているならば、個々の広告やコンテンツは目標達成につながっているはずです。しかし、目標はどのようなコンテンツでも同じではありません。もちろん、マーケティングの究極的な目標は、ユーザーに購入プロセスを完了してもらうことです。ファネルの最下部では、この「購入」が計測すべき行動です。 

しかし、ファネルの上部や中部のコンテンツでは、購入はコンバージョンを定義する目標ではないかもしれません。代わりに、リードジェネレーションとリードナーチャリングのコンバージョンに注目しましょう。これには、ユーザーによるリソースのダウンロード、ニュースレターへの登録、ソーシャルメディアページへの「いいね!」の数などが含まれます。 

メールリストへの登録という重要なステップを達成したら、次の目標、たとえば無料トライアルへの登録などに基づいて、コンバージョンを計測できます。 

2.入力を求める情報が多過ぎる

消費者は、Eコマースでショッピングカートに一度入れた製品やサービスの70%近くをカートから削除します。なぜでしょうか?それは、チェックアウトのプロセスが面倒だからです。オンラインチェックアウトのプロセスには平均で23もの要素があります。この数は、Baymard Instituteが調査で明らかにした最適な要素数の2倍です。 

リードジェネレーションでも、記入するフォームが長いと、ユーザーは完了まで我慢できず記入を途中でやめてしまいます。所要時間の長さや体験の質の低さが、それに耐えることで得られるメリットを上回ると顧客が感じた場合、コンバージョンは見込めなくなります。 

3.十分な情報を提供していない

どの程度の情報を顧客に提供するか判断する際には、慎重にバランスを取ることが必要です。しかし、顧客は次のステップに進む前に、それによって得られる価値を明確に理解することを望みます。この要望に応えるうえでは、以下の方法が役立ちます。

  • 有形無形のメリットをリストアップする
  • 写真、動画、製品の詳細を数多く表示する
  • カスタマーレビュー、業界における受賞、メディア掲載などのソーシャルプルーフを提供する

また、消費者は自身の個人情報の扱われ方にも注意を払っています。たとえば、メールリストに登録してもらいたい場合は、想定される配信頻度を伝えることや、自社のプライバシーポリシーを明示すること(顧客データを売却したりしないと信頼してもらうために)が必要です。

無料トライアルや特別オファーの利用をユーザーに勧めたい場合は、CTAに「無料」という文言を追加したり、ユーザーの不安を取り除くために「購入は必須ではありません」や「クレジットカード不要」といった記載を添えたりするとよいでしょう。こうすることで、購入を控える根拠がなくなり、より気軽にオファーを利用しやすくなります。

CVRを高める3つの方法

適切なコンバージョンアクションに的を絞り、リードジェネレーションや購入のリンクを作成したら、次のステップは、より多くのユーザーのコンバージョンを達成するためのコンテンツ最適化です。CVR向上に役立つ以下のヒントを参考にして、収益を伸ばし、マーケティング費のROIを高めましょう。 

1.コンテンツのローカライズ

広告をクリックしたときに、ランディングページが別の言語で表示されたり、自分の知らない文化の知識が必要な内容が含まれていたり、価格表示が自国の通貨ではなかったりすることを想像してみてください。

全世界のオーディエンスを対象とする場合、特に複数の国や地域で有料のキャンペーンを実施する場合は、コンテンツのローカリゼーションが不可欠です。まず、言語や方言の違い、文化的な違いを考慮して、メッセージをローカライズします。このステップでの目的は、国別のウェブページやアプリのリストを作成することで達成できます。 

コンバージョン率、ローカリゼーション

次に、対象のオーディエンス層に響くように画像をローカライズします。 

最後に、通貨、配送、商品の在庫状況など、コンバージョンが機能的な観点で前もってローカライズされていることを確認します。チェックアウトの最後まで行ったのに、配送料が想定より大幅に高かったり、商品が自分の地域では買えなかったりすると、カスタマー体験はひどいものになります。

2.メッセージのブラッシュアップ

広告のエンゲージメントは高いのに、CVRが伸び悩んでいる場合は、ランディングページのコンテンツの精査が必要です。コンテンツは興味を引くようなものですか?製品やサービスの価値を明確に伝えていますか?  また、広告のメッセージとランディングページのメッセージの間にずれがありませんか?

優れたコンテンツは、顧客の課題を明確化して、当該の製品やサービスがその課題をどのように解決するかを示します。必要性や明確な解決策が示されていなければ、顧客にとって購入する理由はありません。

ページのコンテンツを最適化するために、プロのコピーライターや広告代理店を利用するのも賢明でしょう。市場調査や、動的コンテンツによるA/Bテストは、どのメッセージがオーディエンスにもっとも響くかを明らかにする際に利用できます。 

3.焦燥感の演出

セールスの世界ではとにかく話題を盛り上げようとしますが、それには理由があります。顧客に、何かの抽選に当たったような感覚を与えたいのです。焦燥感を演出することで、お得に購入できたり無料で何かをもらえたりする幸運な機会がもたらされているのだ、と消費者に感じさせることができます。また逆に、行動しない場合、何かのチャンスを失うという喪失感を演出することもできます。以下に例を挙げます。

  • 「特別オファー、12月1日までの期間限定」
  • 「今すぐ登録すれば100ドルお得」
  • 「たった50ドル、しかも無料プレゼントのおまけ付き」

割引や景品なしでも、この戦術を利用することはできます。B2Cのケースでは、在庫僅少であることを強調するのも有効です(「注文殺到中!」、「残りわずか」など)。B2B SaaSでは、非常に直接的な方法で価値をポジショニングできます。自社サービスにより時間を節約できる論拠が用意できているなら、たとえば「今週からは、管理作業を週あたり2時間分短縮しましょう」といったCTAが使えます。 

重要ポイント

CVRは細かい数値に過ぎないかもしれませんが、そこから生じるインパクトは強力です。この指標を使えば、トラフィックのようなあまり重要でない指標に惑わされずに、コンテンツがどれほど効果的にユーザーの行動を喚起しているかを知ることができます。最適化のためのツールと戦略を自在に活用できれば、CVRを向上させ、より多くのリードとセールスを創出できます。 

以下の原則をいつでも肝に銘じておくようにしましょう。

  • マーケティング戦略の一環として、ユーザーにどのような行動を取ってもらいたいかを決定する。売上だけでなく、オーディエンス形成やリードジェネレーションのコンバージョンも忘れないこと。
  • メッセージの内容と同じくらい、形式やデザインにも気を配る。
  • オファーの魅力を高めるために、効果的なCTAを作成する。製品やサービスがユーザーにもたらす価値を明確に示すこと。
  • 感情や焦燥感をうまく利用して、ユーザーに行動を起こさせる。
  • CVRを長期にわたって追跡する。A/Bテストを実施したり、時とともに少しずつ変更を加えていったりすることで、コンテンツの妥当性を着実に維持する。
Background
より多くの顧客を獲得し、コンバージョン率の向上を目指しましょう