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MAU (Monthly active users)

MAU: 1か月あたりのアクティブユーザー数

MAU(Monthly active users / 1か月あたりのアクティブユーザー数)は、1か月(30日)あたりにアプリを利用したユニークユーザー数を意味します。DAU(1日あたりのアクティブユーザー数)とは異なり、ユーザーが月に数回以下しか利用しないと思われる旅行アプリや金融アプリ(銀行アプリなど)で主に使用されます。

MAU (Monthly active users)とは

MAU(Monthly active users / 1か月あたりのアクティブユーザー数)とは、ある特定の1か月間(30日間)にアプリやウェブサイトを利用したユニークユーザー数を計測するために主に用いられる指標です。通常はユーザーID、ユーザー名、メールなど一意の識別子によって監視されます。 

アクティブユーザーの定義は、そのブランドの業種やビジネスニーズによって異なる場合があります。アプリがどのように利用されているかに関するより有意義なインサイトを得るには、MAUをDAU(1日あたりのアクティブユーザー数)と関連づけて分析する必要があります。 

MAUが何を意味しているのかを十分に理解するため、MAUを決定する3つの要素を詳しく見ていきましょう。

  • ユーザーMAUを算出する場合、ユーザーは1か月(30日)の間に、ログイン、特定のアクションの完了、または一定数のアクションの実行といった何らかのアプリ内アクションを実行している必要があります。ユーザーはログイン回数にかかわらず、1ユニークユーザーとしてカウントされます。
  • アクション:MAUで定義されるユーザーアクションは、完全に企業の任意です。多くの場合はアプリを開く、ログインするなどのアクションが該当します。これにより、計測や比較がしやすくなります。
  • 期間:ここでは直近1か月間(30日間)に発生したイベントを対象とします。

MAUの算出方法

MAU(1か月あたりのアクティブユーザー数)の算出方法

MAUの計算は簡単そうにも見えますが、定義したアクティビティによっては、より複雑になることもあります。 

まずは以下のステップで始めてみましょう。

  1. アクティブユーザー の基準を定義する:ログインなどの単純なアクティビティは計測しやすい反面、そのユーザーが実際にアプリを使ったかどうかについては、あまり多くの情報を得られません。 

よって、アクティブユーザーには特定のアプリ内アクションを実行したユーザーを定義するのがより有用です。アクティブユーザーを詳細に定義しないと、MAUが増加または減少した際にも、比較的曖昧なデータしか得られません。

  1. 計測したいエンゲージメントの頻度を定義する(このケースではMAU)
  2. データを収集する:選択した分析ツールを使ってデータを収集し、選択した日や月の間にアクティブユーザーの基準を満たしたユニークユーザー数を合計します。ここで重要なのは、ユニークユーザーのみを計測の対象とすることです。 

MAUを監視する理由

MAU(1か月あたりのアクティブユーザー数)を監視するべき理由

アプリの成長という観点から、ユーザーがアプリをどう利用しているかを計測しておくことは重要です。MAUが高いということは一般に、一定期間にわたってアプリエンゲージメント率が高く、リテンションが良い水準に保たれていることを意味します。

MAUを計測することによってマーケティング戦略やカスタマー体験の効果的な要素をより適切に評価できるため、アプリの全般的な健全性を測る指標の1つとして利用できます。

MAUとエンゲージメントに関する他の指標を組み合わせることで、以下を評価できます。

  • アプリエンゲージメント
  • 特定のマーケティングキャンペーン(ユーザー獲得)の成功率
  • リテンション率
  • 離脱率
  • 成長率(現在の成長率および潜在成長率)
  • 収益成長率(現在の収益成長率および潜在的な収益成長率)

MAUはLTV(顧客生涯価値)やアクションあたりのコスト(CPA)など、他の指標の基準にも用いることができます。特にアプリの知覚価値の指標となり得ます。 

「なり得る」というのは、アプリの価値を評価するには他にも、インストール数、ユーユーザーあたりの平均収益(ARPU)、リテンション率、離脱率、購入頻度といった重要な要素が数多くあるからです。

DAU/MAU比率

MAUとDAUを組み合わせたDAU/MAU比率では、アプリの1か月あたりのアクティブユーザー数に対する1日(24時間)あたりのアクティブユーザー数の比率を計測できます。 

DAU/MAU比率を用いることで、トラクション(顧客への訴求力)と潜在的な収益を長期にわたって予測できます。しかし、さらに重要なのは、この比率はアプリが繰り返し利用される頻度を計測することで、ユーザーにとっての製品の価値を測るのに役立つということです。 

DAU/MAU比率は以下の通り算出します。

DAU/MAU比率

具体例を説明します。

たとえば、8月の1か月間でDAUが2,000人、MAUが8,000人だったとします。その月の定着度は25%になります。 

25%というのはかなり良い数値といえます。どの業界標準も、定着度が20%もあれば良好とされ、25%以上は異例の数値と見なされます。

MAUの限界 

MAUは比較的簡単に計測できますが、MAUならではの限界もあります。ここではその主な4つを簡単に紹介します。

1. 業界標準がない 

これはMAUによって相対的な成功を測ろうとした場合に見られる、主な限界の1つです。各企業は独自の要素と方法でMAUを算出しているため、MAUで意味のある比較を行うのはときに困難です(MAUは当てにならないと言われることもあります)。

またMAUの個々の構成要素に一律の基準がないことも、明確な目標を定めにくい原因です。 

2. ローンチ直後は指標としての信頼性が低い

新しいアプリをローンチしてまだ間もないうちからMAUを過度に重視するのは、控えめに言っても問題があります。MAUの定義からすれば、アプリのローンチに際して展開される有料広告やソーシャルメディアキャンペーンなどのプロモーション活動は、いずれもMAUを劇的に増加させる可能性があります。しかし、アプリの安定した成長を示す真のトレンドは、この数値には反映されません。安定した成長を測るなら、数か月を経てトラフィックが正常化した時点でMAUを評価するのがよいでしょう。

3. アプリとの関わり方を計測できない

ユーザーがアプリにログインしても、エンゲージメントが発生するとは限りません。マネタイズの観点で言えば、収益はアプリでエンゲージメントが発生したユーザーからしか見込めません。ログインしたMAUの数値だけでは、いくぶん表面的な指標に過ぎません。

4.ユーザーの質が測れない

すべてのユーザーが同じ価値を生むわけではありません。メディアソースが異なれば、ユーザーのエンゲージメント行動は異なる傾向があります。また地域限定のキャンペーンで短期間に多くのインストールを獲得した場合、そのソースから流入したユーザーはエンゲージメントが低かったり、急激に離脱することがあります。 

そのため、特定のキャンペーンによるMAUは一見極めて高いように見えても、獲得したユーザーの価値は標準を下回り、ブランドの評判やアプリストアのスコア、ソーシャルメディアでのレビュー、全体的な顧客満足度といった点で、かえって損失につながる可能性があるのです。

MAUを増やす方法

MAU(1か月あたりのアクティブユーザー数)を増やす方法

アプリエンゲージメント戦略を成功に導くには、メール、プッシュ通知、アプリ内通知、リエンゲージメントキャンペーンなど、複数のチャネルを活用する必要があります。 

では、これらのチャネルをどう活用すればMAU率を高められるのでしょうか。ここではそのヒントとアドバイスを紹介します。 

1. プッシュ通知

プッシュ通知は、アプリユーザーのエンゲージメントを向上させる最も効果的な方法の1つです。ただし、使い方を誤ると、たちまちアンインストールにつながります。 

では、どのくらいの頻度でユーザーにプッシュ通知を送るべきでしょうか。

ベストプラクティスやベンチマークをアドバイスするソースは多々ありますが、最も重要なのは、オーディエンスに本当の価値を提供できているかを自問することです。 

プッシュ通知で重要なのは頻度ではなく、パーソナライズされた適切なコミュニケーションを通してユーザー体験を向上させることです。 

プッシュ通知の統計に目を配りましょう。こうして、何が有効で、何が有効でないかを見極めることが、MAUの増加に役立ちます。

2. アプリ内メッセージ

アプリ体験がユーザーのニーズや好みに合っていればその分、アプリの継続率は高まる傾向にあります。 

実際、近年の調査によれば、パーソナライズされたアプリ内メッセージを利用しているブランドは、メッセージが受信されてから28日以内に61%から74%のリテンション率を獲得しています。一方、一般的なキャンペーンを行ったブランドの場合、28日以内のリテンション率は49%にとどまることが分かっています。 

通常、アプリ内メッセージはユーザーに直ちにアクションを促すためのものではありませんが、受信すべき重要な通知です。これにはアプリの不具合や決済の失敗、バージョンアップなどの警告を含むことがあるからです。 

ユーザーとの関連性を最大限に高めるには、地域、好み、利用状況、履歴をもとにオーディエンスをセグメント化し、リアルタイムでの更新やパーソナライズされたコンテンツへのリンクといったカスタマイズされたメッセージを送るようにします。 

3. メール/SMS

リテンションにつなげるには、ユーザーに充実したサービスを提供してアプリの存在感を増し、継続して利用してもらうことが大切です。 

ダウンロードが完了しても、ユーザーがアプリの魅力を十分に認識するには時間がかかるかもしれません。よって、オンボーディングは継続的なプロセスであることを覚えておきましょう。高いDAU率を維持するには、アプリを使い始めたばかりのユーザーに適度にメールを送ることが効果的です。 

また、再訪頻度の少ない以前のアクティブユーザーを対象としたメールを送るのもいいでしょう。「最近アプリを利用されていないお客様に、いくつか魅力的なアップデートをご紹介します」と極力さり気なくコンタクトできます。

コンテンツアプリの場合、7日間連続でアクティブだったユーザーが3日間アプリを開かなくなった場合、そのタイミングでアプリ内のトレンド記事へのリンクをメールすると、再びアクティブになるかもしれません。 

適切なオーディエンスセグメンテーションをすることで、エンゲージメントの高いユーザーとそうでないユーザーを区別できます。

4.ディープリンク

上記に沿って、特別クーポンという魅力的なオファーを含めた完璧なメールを作成しました。パーソナライズされ、コンテキストも加味された関連性の高いメールです。ここまではいいでしょう。しかし、ユーザーがリンクをクリックすると、アプリの一般的なホーム画面に遷移します。これは効果的とは言えません。

アトリビューションを活用したディープリンクは、本質的なクロスチャネル戦略の中心です。サイロ化したチャネルをリンクして1つのまとまったユーザー体験プラットフォームとすることで、スムーズで一貫性のあるユーザー体験を保証し、分かりやすいユーザージャーニーの道筋を提供できます。 

ディープリンクはユーザージャーニーにおける障害を最大限取り除くだけでなく、ユーザーと長期的な関係を築き、競争力を強化するのにも役立ちます。 

また、簡単に実行できる戦略であることは何度も実証されているため、導入の価値は十分にあると思われます。

業界ベンチマークサイト

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重要なポイント

  • アプリという文脈でのアクティブユーザーは、通常、アカウントにログインしているユーザーと見なされます。しかし、アクティブユーザーを定義するエンゲージメントの種類はさまざまで、業種や企業の目標によって異なる場合があります。
  • アクティブユーザー数を長期的に把握することで、キャンペーンの効果やアプリが提供するカスタマー体験を評価するのに役立ちます。 
  • MAUを見ればユーザー数は分かりますが、その質は分かりません。多くの場合、MAUのうち最も価値を生むユーザーはごく一部であり、大部分ではないにせよ、一部のユーザーは頻繁にログインしているだけかもしれないからです。 
  • アクティブユーザーの定義にばらつきがあるため、MAUだけではブランドの成功は比較できません。ただし、MAUを他の指標と組み合わせることで、その企業のアプリエンゲージメント、ユーザー獲得、リテンション率、離脱率、成長率に関するインサイトを引き出せます。
Background
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