ウェブキャンペーンからアプリへの誘導
10年前、私が初めてスマートフォンを使い始めたとき、たくさんのアプリをインストールしました。多くの人がそうだったように、新しいアプリやアプリインストール広告をかなり受け入れていたと思います。
しかし、今日では、デバイス上のアプリ数が増加し、アプリ数の多さを気にすることもなくなり、新しいアプリのインストールに対する許容度がかつてなく高くなっています。
アプリのインストールを促すためにユーザーをアプリストアに直接誘導する広告は、初回利用のユーザーなどの場合や発展途上市場において有効に機能します。ただし、広告に掲載されている物や商品、サービス、テレビ番組、バケーションプラン、販売促進に関する情報を検索している経験値の高いユーザーにとっては、アプリストアへの直接誘導は的外れであり不満を感じさせることがあります。より成熟したアプリ市場では、ブランドの成長を促進するために、モバイルウェブサイトに依存する必要があり、特に知識や経験の豊富なユーザーに対しての配慮が必要になります。
ウェブを活用して成長する
優れた広告クリエイティブやパーソナライズした広告だけでは、知識や経験の豊富なユーザーを満足させることはできません。こういったユーザーは、簡単にアプリをインストールしませんし、実際に使用するアプリしかインストールしません。オンライン広告でのエンゲージメントには限りがあり、アプリストアのページをうまくコントロールできない状況で、アプリをインストールしてもらうためのエンゲージメントとモチベーションをどのように作り出せば良いのでしょうか?この問題に対するソリューションとして、ウェブキャンペーンからアプリへの誘導を円滑にすることがあります。
私たちは常にウェブの可能性を信じてきました。だからこそ、OneLinkのディープリンクやディファードディープリンク、スマートバナー、ピープルベースドアトリビューションなどのウェブに関連する製品や機能を開発し、アプリデベロッパーがオウンドメディア、特にウェブを活用して成長できるように支援するAppsFlyerの取り組み「予算ゼロマーケティング(英語)」の一環として毎月無料のZeroプランを開始しました。
無限に広がる未開拓のチャンス
モバイルウェブで成長とエンゲージメントを促進するにはどうすれば良いでしょうか?モバイルウェブサイトにユーザーを誘導すれば、さまざまな方法でのエンゲージメントができるようになり、可能性が無限に広がります。ユーザーがリピーターであれば、過去の訪問履歴からそのユーザーについての情報を得ることができるかもしれません。自社のウェブサイトでは未開拓の可能性が無限に広がります。たとえば、次のようなことができます。
- エクスペリエンスをパーソナライズします。ウェブサイトやランディングページでサービス、製品、ゲームをユーザーが閲覧できるようにします。
- OneLinkのディファードディープリンクを活用して、ユーザーがアプリでトランザクションを完了するようプロモーションをパーソナライズします。
- AppsFlyerのスマートバナーを活用して、ユーザーをアプリストアに誘導してアプリをインストールできるようにします。すでにアプリをインストールしているユーザーであれば、そのユーザーにとって最適なアプリのページを直接開くようにします。
これではクリック回数が増え、ウェブサイトを通って遠回りをさせるので、ファネルが長くなることを懸念する人がいるかもしれません。たしかにファネルは長くなるように見えるかもしれません。しかし実際のところは、目的が明確で経験のあるユーザーに対し有効なファネルであり、コンバージョン率と全体のROIが向上します。
明確な目的を持つ顧客にアプリをインストールしてもらうには説得力のある理由が必要です。そしてその理由はファネルの早い段階で提示する必要があります。広告をクリックしたら欲しい商品やサービスの情報を表示して顧客を満足させましょう。アプリのインストールページを表示して、顧客をうんざりさせるようなことは避けましょう。これには、ウェブキャンペーンからアプリへの誘導を円滑にすることが有効です。
ウェブキャンペーンからアプリへの誘導(ユースケース)
ウェブキャンペーンからアプリへユーザーを誘導すると、ファネルはどのようになるのでしょうか?次に紹介するフローは、多くある中のほんの一例です。
- ウェブ広告やアプリ内プロモーション、または検索広告をクリックしたユーザーが広告主のモバイルウェブサイトに誘導されます。
- 広告主は、さまざまな方法でエンゲージメントとプロモーションを実施します。例えば次のようなことを行います。
- カスタマイズしたスマートバナーを表示し、アプリをインストールしたユーザーにインセンティブ(ウェブ広告で取り上げられていた靴を10ドル値引き)を提供します。
- ページ上にプロモーション用コンテンツを用意し、エンゲージメントと教育を行います。コンテンツには、ディープリンクを設定したハイパーリンクやCTAボタンでのインセンティブも含めます。
- ユーザーがスマートバナーまたはハイパーリンクをクリックすると、アプリをインストールできるようにアプリストアにユーザーを誘導します。既にアプリをインストールしているユーザーであれば、すぐにステップ4に進みます。
- アプリをインストールして起動すると、プロモーションの内容に応じて適切なアプリ内コンテンツがユーザーに提示されます。ここでアトリビューションが実施され、メディアソースにインストールのクレジットが与えられます。
ここで紹介しておきたいユースケースに検索エンジンマーケティング(SEM)があります。SEM(Search Engine Marketing)で明確な意図を持つ多種多様なキーワードを低コストで入札することができます。SEMのユースケースは、これからのアプリの成長にとって特に重要なソースになるとAppsFlyerは考えています。
注目すべきポイントは?
ここで「なぜウェブキャンペーンからアプリへ円滑な誘導がそんなに重要なのか?」という疑問が浮かぶかもしれません。注目なのは、初めてメディアパートナーがキャンペーンの誘導先をアプリストアのページではなく自分たちのウェブサイトに設定できるようになったことです。さらに重要なことに、設定されたルックバック期間に基づき、パートナーがインストールと下層ファネルのコンバージョンのクレジットを獲得することができます。同時に、アプリストアのプラットフォームで発生する料金を回避することができます。
いま始める意味
AppsFlyerのデータは、ウェブエンゲージメントがこれまで十分に活用されてこなかったことを示しています。さらにiOS 14のリリースにより、ユーザーとの新しいエンゲージメント方法を市場が模索することになるとAppsFlyerは考えています。今こそ、ウェブキャンペーンからアプリインストールにいたるまでに散らばる点を線でつなぎ、有料のキャンペーンを実施して自社のウェブサイトやランディングページへのトラフィックを促進する時です。そして、新しくウェブエンゲージメントのファネルを作成し、アプリのロイヤルユーザーを獲得します。
プライバシーの観点から、ユーザージャーニーにはアドネットワークやオウンドメディアが含まれるので、IDFAをアトリビューション目的で収集する必要はなく、ファーストパーティのデータを活用してエクスペリエンスを最適化することができます。
ウェブキャンペーンからアプリにユーザーを誘導することで得られるチャンスに興奮しているのはAppsFlyerだけではありません。AppsFlyerは、これらのツールを革新的な方法をすでに活用しているお客様からインスピレーションを受け続けています。アプリ内コンバージョンに焦点を当てたプロモーションを作成したお客様もいれば、ウェブサイトの訪問者とのエンゲージメントを深めているお客様もいます。
ウェブキャンペーンからアプリへの誘導を実装する
ウェブキャンペーンからアプリへのユーザーの誘導は高い効果と説得力があるだけでなくシンプルです。広告主は、次の手順でウェブキャンペーンからアプリへユーザーを誘導できるようになります。
- AppsFlyer web SDKを実装する
- ウェブページやランディングページ上のスマートバナーを有効化する
- AppsFlyerの管理画面の連携済みパートナーセクションでリダイレクトパラメーターを定義し、アトリビューションソースとして入ってくるアトリビューションリンクパラメーターを有効にする
- アドネットワークパートナーとの広告リンクを更新する
ウェブキャンペーンからアプリへの誘導の設定方法については、こちらをご覧ください。
まとめ
ウェブから得られる成長の機会をAppsFlyerは信じています。そして、ウェブキャンペーンからアプリへの誘導のファネルにより得られる次のようなメリットについて興奮しています。
- ユーザーは、最初にアプリをインストールしなくても、サービスや製品を利用することができます(もちろん、後で適切なタイミングでアクセスすることもできます)。
- 広告主は、ファーストパーティのデータを使用して、自社のウェブサイト上のユーザーに対するファネルエクスペリエンスをパーソナライズし最適化できます。
- 広告主は、ウェブプロモーションとOneLink、ディファードディープリンク、スマートバナーなどの強力なツールを組み合わせることで、アプリ内トランザクションを促進できます。
- ブランドは、目的が明確でエンゲージメントの高いユーザーによるコンバージョンを促し、ROIを最適化できます。
- 広告主は、明確な意図を持つ多種多様な検索キーワードや下層ファネルのリエンゲージメントなど、効率的なトラフィックソースを活用できます。
- ウェブキャンペーンからアプリへの誘導機能は、Apple iOS 14のプライバシーガイドラインに完全に準拠しています。
6月以来、AppsFlyerは、従業員、お客様、業界のパートナーとともにプライバシーとユーザーエクスペリエンスの最適化方法を模索してきました。そして、その実現のために構築している2つの具体的な方針を紹介しました。それは、プライバシー中心の次世代のアトリビューションと、データ利用の可能性を最大化することに焦点を当てたSKAdNetworkに完全対応したソリューションです。
iOS 14に対するAppsFlyerのアプローチの締め括りとなる第3の柱を紹介できることを嬉しく思います。お客様とパートナーの両方に対しイノベーションの大きな可能性を提供できることも非常に嬉しく思っています。また、このファネルによるエンドユーザーのユーザーエクスペリエンスの向上にも興奮しています。ウェブキャンペーンからアプリへ誘導するファネルがあることで、iOSまたはAndroidのアプリをインストールして使用する理由をユーザーは得ることになります。