CPA (Cost per action)
CPA(アクションあたりのコスト)とは、広告へのエンゲージメント後にアプリ内で発生した特定のコンバージョン(購入、登録など)に対して、マーケターがアドネットワークやメディアソースに広告費用を支払う価格モデルを意味します。
モバイルマーケティングにおけるCPAとは
CPA(Cost per action / アクションあたりのコスト)は、あらかじめ設定されたアクションに応じて、マーケターがメディアソースに固定の費用を支払うという、純粋なパフォーマンスに対する価格モデルです。
CPIではキャンペーンのコンバージョン目標を達成するアクションが実際のインストール数であるのに対し、CPAはインストール後のさまざまなアプリ内イベント(登録、アプリ起動、アイテムの購入など)からアクションを選択できます。
CPAの値は単純に、あらかじめ設定したアクション(購入や登録など)がメディアソース経由で発生した都度、広告主がそのソースに支払う費用を意味します。
任意のアドネットワークのパフォーマンスをより広範に確認するには、eCPA(有効なアクションあたりのコスト)を用います。eCPAは、そのネットワークにかけた総コストを、あらかじめ指定した期間にもとづくアクション総数で割って算出します。
この指標は計測したいすべてのキャンペーンのCPAを包括し、メディアソースレベルでの広告コストの全体像を、時系列で把握できます。
CPAが重要な理由
モバイルマーケティングキャンペーンには4つの代表的な価格モデルがあり、CPAはその1つです。それ以外の3つは下記の通りです。
- CPM(1,000インプレッションあたりのコスト)
- CPC(クリックあたりのコスト)
- CPI(インストールあたりのコスト)
マーケターがリソースやツール、手法に精通していくにつれ、目標とする成果に見合った費用を支払うような、純粋なコストパフォーマンスを測れるモデルへの需要も高まりました。
加えて、CPA以前は実際の価値に直接結びつかない広告に費用を支払いたくないというパフォーマンスマーケターも見られましたが、CPAモデルによりメディアソースが成果に応じた費用を受け取れるようにもなっています。
こうした背景を経て、価格モデルは空費に終わりやすいCPM(1,000インプレッションあたりのコスト)からCPC、CPIと進化し、ファネル内でも大きく前進しましたが、いまだ最終的な収益を保証するものではありません。実際、広告経由でインストールしたユーザーは購入に至らず、収益化につながるロイヤルユーザーにもならないことがほとんどです。
CPAにはキャンペーンの収益性がダイレクトに反映され、マーケターのコストリスクを最小限に抑えられるという点で、現在の価格モデルの中では最も妥当な選択肢といえます。
ただし、CPAはマーケターにとって望ましい価格モデルである反面、アドネットワークで利用できるケースは限られます。コンバージョンが低い場合、そのリスクはほぼネットワークが負うことになるからです。というのも、アドネットワークはユーザーがコンバージョンに至る前に広告枠を購入する必要がありますが、マーケターから支払われるのはコンバージョンにつながったコストのみだからです。
CPAとモバイルエコシステム
上記のような理由から、CPAは簡単に選択できない価格モデルであるのが現状です。
それでもマーケターの大多数はCPCやCPIに費用を支払いながら、最も収益性を見込めるキャンペーンとアドネットワークに注力するため、内部でeCPAの最適化を図るでしょう(パフォーマンス重視のメディアソースにも同じことがいえます)。
CPAは、頻繁に利用される価格モデルとしては、まだそれほどの存在感はありません。しかし、パフォーマンス重視のマーケターとメディアソースがユーザーの質に焦点を当て、長期的により持続可能な成果を得る上での指針となることは間違いありません。