CPE (Cost per engagement)
CPE(Cost per engagement / エンゲージメントあたりのコスト)とは、ユーザーが特定のアプリ内アクションを行うごとに、広告主が料金を支払う広告価格モデルです。
CPE (Cost per engagement)とは
CPE(Cost per engagement / エンゲージメントあたりのコスト)とは、アプリ内の特定のユーザー行動に対して広告主が料金を支払う広告キャンペーンモデルです。インストール後のイベントの金銭的価値を把握できれば、広告主はCPEモデルを利用して、収益性が高く、的を絞った行動を推進できます。エンゲージメントの範囲は、登録完了からゲームの特定のレベルの完了、購入までと多岐にわたります。
今日のCPEキャンペーンの多くは、報酬に焦点を当てたユーザー獲得キャンペーンという形で実施されます。これはアプリユーザーに仮想の報酬、プレミアムコンテンツ、割引といった報酬を提供する広告の別称です。
こうしたオファー広告は、動画の視聴、サインアップの完了、チュートリアルの完了といった特定のアクションを実行する動機づけをユーザーに与えています。オプトイン方式かつユーザーにとっては報酬を得られるため、大抵のCPEキャンペーンは高いコンバージョン率とROAS (広告費用対効果)を記録しています。
「エンゲージメント」に含まれる行動
広告業界におけるエンゲージメントは、コンテンツとのあらゆるインタラクションと定義でき、多くの場合はコメント、リアクション、共有を計測するソーシャルメディアマーケティングと関連づけられます。
また、モバイル広告業界におけるアプリ内エンゲージメントとは、ダウンロード後にユーザーがアプリ内で行う、あらゆるインタラクションと定義されます。これには、サインアップ、ログイン、モバイルゲームで特定のレベルに到達する、曲を聴く、初めてホテルを予約するといったすべてが含まれます。
CPEの計算方法
CPEの計算式は、広告費の総額をエンゲージメントの総数で割ったものです。
たとえば、最も収益性の高いユーザーが、ゲームのレベル4を完了したとします。レベル4の完了を計測するCPEキャンペーンに1万ドルを費やした結果、1,000エンゲージメントを獲得できたとします。このときのCPEは10ドルです。
CPEは何に活用できるか
CPEキャンペーンを行う場合はすでにユーザー獲得が済んでいるので、CPEはインストール後のアプリ内インタラクションを促進するのに最適です。広告主は設定したアクションに応じて、最も経済合理性の高いスライド制で支払うことができます。CPEキャンペーンではユーザーがアプリ内エンゲージメントを行う動機づけが与えられるため、特にCPI(インストールあたりのコスト)やCPC (Cost per click)キャンペーンの計測と比べて、ユーザーリテンションが大幅に向上します。
CPEのデメリット
CPEキャンペーンは収益性の高いキャンペーンですが、ユーザーの行動を包括的に把握していないと、最大限の効果を得られません。よって、広告主は、最も将来の収益につながるアプリ内エンゲージメントが何かを理解している必要があります。さらに、アドネットワークとDSPはインプレッション単位で課金されることがほとんどのため、広告が意図したとおりにエンゲージメントを促進しなければ、CPEに加えてインプレッションのコストがかさむ場合があります。
CPE、CPA、CPC、CPIの違い
広告価格モデルで特によく知られているのは、以下の4つのモデルです。
- CPE = Cost per engagement(エンゲージメントあたりのコスト)。広告主は、インストール後の特定のエンゲージメントごとに料金を支払います。
- CPA = Cost per action(アクションあたりのコスト)。広告主は、アプリインストールを含めた幅広い特定のアクションごとに料金を支払います。通常、CPEはエンゲージメントイベントに関連づけられても購入には関連づけられないのに対し、CPAは購入イベントに関連づけられます。広義の意味では、CPEとCPIはCPA広告の一種です。
- CPC = Cost per click(クリックあたりのコスト)。広告主は、クリックごとに料金を支払います。
- CPI = Cost Per Install(インストールあたりのコスト)。広告主は、インストールごとに料金を支払います。
理想的なCPE
ユーザーがあるゲームのレベルを完了することと、ヘルス&フィットネスアプリのメール登録をすることは、ときに同じCPEパフォーマンスをもたらします。つまり、CPEの値はプラットフォーム、オーディエンス、計測するエンゲージメントに応じて、1セントから数百ドルまでとさまざまなのです。したがって、理想的なCPEはありません。ただし、CPEキャンペーンによって広告費回収率(ROAS)が計測しやすくなります。これは特に、そのアクションを行うユーザーの潜在的なドル価値を理解している場合に当てはまります。
CPEキャンペーンのパフォーマンスを向上させる方法
コストをかけるなら最も安いエンゲージメントを選びたくなるかもしれません。しかし、ユーザーの行動データに目を通し、最も収益性が高くなる行動を特定するようにしましょう。重点を置くべき行動を正確に推測するには、予測マーケティングの活用をおすすめします。
CPEキャンペーンは決して完全無欠の特効薬ではありません。CPIキャンペーンとCPEキャンペーンを組み合わせて広告を多様化し、インストール行動とインストール後の行動を並行して促進することが重要です。
重要なポイント
- CPEとは、ユーザーが特定のアプリ内アクションを行うごとに、広告主が料金を支払う広告価格モデルです。
- モバイル広告では、ダウンロード後にアプリで実行されたユーザーインタラクションは、アプリ内エンゲージメントに分類されます。
- CPEの計算式は、広告費の総額をエンゲージメントの総数で割ったものです。
- CPEキャンペーンは非常に収益性が高いとはいえ、最も収益性の高いエンゲージメントを特定して計測対象とするには、ユーザー行動を完全に把握できなければなりません。
- 通常、CPEは購入以外のインストール後イベントに関連づけられますが、CPAは購入イベントに関連づけられます。
- 広告主は予測マーケティングを利用して予測分析を行うことで、重点を置くべき行動を判断できます。