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RTB (Real-time bidding)

リアルタイム入札(RTB)

RTB (Real-time bidding / リアルタイム入札)とは、DSP(Demand side platform)を利用して、広告のインプレッションに対して自動的に入札を行うプロセスです。入札は、見込み客がページにアクセスしてからそのページが完全に読み込まれるまでの、数ミリ秒の間にリアルタイムで実施されます。

RTB (Real-time bidding)とは

RTB (Real-time bidding)とは、インプレッションごとにリアルタイムで広告を売買する、 プログラマティック広告に不可欠な仕組みです。入札はDSPとSSPを介して、オークション形式で瞬時に行われます。

たとえば、モバイルゲームで、レベルの合間に広告が表示される瞬間を想像してみてください。まさにその瞬間、モバイルSSPがオークションを行い、広告主がプレイヤーの画面に広告を表示させるため、DSP経由でインプレッションに対して入札しているのです。最高入札額を提示した広告主が落札し、その広告がプレイヤーに配信されるまでの時間はほんの一瞬です。

RTBの仕組み

リアルタイム入札の仕組み (Real-time bidding))

パブリッシャーのインベントリの1インプレッションに対して、複数の広告主がリアルタイムで入札します。最も高い入札額を提示して、落札した広告がユーザーに表示されます。

広告主はRTBを利用することでターゲティングを行い、消費者に最も関連性の高いインベントリに的を絞って出稿できます。たとえば、クリーンイーティング(自然食)をテーマにしたお気に入りのブログにアクセスすると、たいていは地元のオーガニックマーケットの広告が表示されるのは、そのためです。育児ブログとベビーカーの広告にも同じことが言えます。

ユーザーをこうしてターゲティングすることでコンバージョン率が向上し、その結果、ROIや eCPMの向上にもつながります。RTBではさらに、広告主はキャンペーン予算をリアルタイムに調整し、キャンペーンのパフォーマンスを最適化することができます。では、実際にはどの程度の効果があるのでしょう。調査によれば、世界のRTBの市場規模は「2019年の66億米ドルから、2024年には272億米ドルまで」 成長すると報告されています。

RTB (Real-time bidding)のメリットとデメリット

RTBの技術によって、広告主とパブリッシャーは、自動でインベントリを売買することが容易になりました。こうした技術が広告インベントリの売買を促進していることを踏まえれば、RTBにはいくつかのメリットがあることは明らかです。 

ただし、マーケターがRTBを導入する際には、いくつかデメリットがあることにも注意しなければいけません。

RTBの主な2つのメリット

RTBとプログラマティック広告を導入することで、広告主とパブリッシャーの双方にいくつかのメリットがもたらされます。しかし、その主なメリットは何といっても、精度の高いターゲティングです。

1. 精度の高いオーディエンスターゲティング:RTBでは、広告主は広告枠に対して入札するため、常に特定のオーディエンスを対象にできます。このターゲティング機能により、広告主は自社製品に関心のある顧客に正確にリーチできます。

リアルタイム入札のメリット:正確なオーディエンスターゲティング

2. インベントリのターゲティングの向上:パブリッシャーがインベントリのフロアプライス(最低落札価格)を自由に設定できるのも、RTBのメリットです。さらに、フロアプライスを任意のタイミングで変更し、収益を最大化することも可能です。

広告主はオーディエンスターゲティングを行い、パブリッシャーはインベントリをターゲティングし、フロアプライスを管理できます。これにより、プログラマティック広告エコシステムに組み込まれた双方がRTBのメリットを享受できるのです。

RTBの主な2つのデメリット

デジタル広告の未来とも言われるプログラマティック広告とRTBですが、いくつかのデメリットも存在します。広告主とパブリッシャーに共通するデメリット(その質は異なりますが)は、手動でコントロールできないため、ブランドイメージの不一致や広告配信に関する問題が発生することです。

1. コンテキストをコントロールできない:プログラマティック広告は手動で管理できないため、インベントリと広告のミスマッチが発生し、広告主のイメージダウンにつながることがあります。 

たとえば、ある朝スマートフォンでニュースを見ているときに、悲惨な飛行機事故を報せる記事が目に入ったとします。その記事の下に、格安航空券を販売する旅行サイトの広告が掲載されていたらどうでしょう?アルゴリズムやキーワード、RTBだけに頼った広告出稿は、ときに広告主の良識を疑われるような不運な広告出稿となる可能性があります。

2. コンテンツをコントロールできない:反対に、パブリッシャーにとっても、貴重なインプレッションを自動で販売すれば、どの企業のどのようなコンテンツが自社ページに掲載されるかをコントロールできなくなります。もし掲載された広告や広告主が、ユーザーに不快感を与えてしまったらどうなるでしょう。そのユーザーだけでなく、他のユーザーも、今後そのページにアクセスしたいと思わなくなるかもしれません。

広告主もパブリッシャーも、広告のミスマッチによる悪影響を受ける可能性があります。これは不運な例ではありますが、人手を介さないプログラマティック広告とRTBにおける当然の結果とも言えます。

RTBとヘッダービディング

ヘッダービディング(アドバンス入札/事前入札とも)とは、リアルタイムで広告枠を販売するための、プログラマティックなアプローチです。この入札方式では、パブリッシャーは複数のアドエクスチェンジで広告枠をオークションにかけ、最も高い価格で販売できます。

RTBと同じように聞こえますが、ヘッダービディングとリアルタイムビディングには微妙な違いがあり、その違いを考慮する必要があります。まず考慮すべきは、ヘッダービディングはRTBのサブセットの1つということです(よって、混同しやすいのは当然なのです)。

従来のリアルタイムビディングでは、各アドエクスチェンジが独自のオークションを一度に実施していました。これに対し、ヘッダービディングではRTBを採用することにより、すべてのアドエクスチェンジが複数のオークションに一元的に入札できます。

ヘッダービディングはいわば、プログラマティック広告バイイング2.0のようなものです。2.0版では、パブリッシャーは複数のアドエクスチェンジにインベントリを提供でき、広告主はプレミアムな広告インベントリを利用できます。基本的に、2.0版では従来の単なるRTBより、オーディエンスやリーチに関する制約が少なくなっています。

この方式のメリットを最も享受できるのは、パブリッシャーです。ある調査によれば、プログラマティック広告を採用している1,000の人気サイトのうち、79.2%がヘッダー入札を導入しているとのことです。

RTBとプログラマティックバイイング

プログラマティックバイイングとは、非オークション形式のプログラマティック広告です。RTBとは異なり、パブリッシャー広告主と固定価格を直接交渉し、一定期間、広告枠を販売します。

プログラマティックバイイングを最も有効に活用できるのは、全面買収など「プレミアムな表示形式」の場合です。広告主にとってはコストのかかる投資ですが、それによって自社の広告が誰に、どこで、どのようなコンテキストで表示されるのかを正確に把握できます。この認識が保証されるという点で、プログラマティックバイイングは広告主にとって理にかなった方法と言えます。

重要なポイント

RTBを利用することで、広告主とパブリッシャーの双方が広告費を大幅にコントロールできるようになります。RTBやプログラマティック広告のエコシステムには多くのメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。

よって、RTBとプログラマティック広告エコシステムについては、以下のことを覚えておく必要があります。

  1. RTBとは、デマンドサイドプラットフォームを利用して、広告のインプレッションに対してリアルタイムで自動的に入札するプロセスです。これはプログラマティック広告には欠かせない要素です。
  2. RTBの大きなメリットは、パブリッシャーと広告主がリアルタイムでオーディエンスセグメンテーションを行ってリーチを絞り、最適化できることです。
  3. デメリットは、メディアバイイングに人の手が介入しないことにより不適切なタイミングでの広告表示、コンテンツのミスマッチが発生し、パブリッシャーや広告主のブランドがオーディエンスの不評を買う恐れがあるということです。
  4. ヘッダー入札では、パブリッシャーは複数のアドエクスチェンジにインベントリを提供し、プレミアムな広告枠を広告主に販売できます。ヘッダー入札は基本的に、RTB(およびそのサブセット)の進化した形態です。
  5. プログラマティックバイイングは、非オークション形式でより安全な、プレミアム広告のためのプログラマティック広告です。
Background
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